恋の分子生物学

しばしば、ヒトが忘れやすい事実だが、ヒトは動物である。

複雑な感情を持つヒトは動物とは一線を画していると考える方も多いが、
感情なんてものは分子生物学的に見ると意外にシンプルに作られている。
例えば、抗鬱剤なんて呼ばれているものは、
所詮はセロトニンという物質の効果を少しいじっているだけで、
我々の喜怒哀楽が科学的に紐解かれる日も、そう遠くはないはずだ。

恋愛感情という我々ヒトが時に喜び、時に悲しむ感情すらも、
おそらく遺伝子という文字で記述されていて、
その進化的原型は多種の中にも見出せるものではないかと考えられる。

そこでこのブログでは、私が研究対象としている「恋愛感情」というものについて、
心理学的にはなく生物学的に、それも極めて客観的に、
古今東西の知見、私自身の研究成果を含めて書き連ねてみようかと思ってる。
何故、そしてどのようにして、生き物は恋をして、そこにどのような意味があるのか。
多くの人間が魅せられてきたこの問いに、現代生物学を駆使して迫ってみよう。