ドイツ6日目〜小生、異国の地でサッカーを見る〜

朝、ちょっと寝坊して少し寝ぼけながらパソコンに繋ぐと、スカイプがかかってきた。出てみたら、とある会議のスクリーンだった。眠気吹き飛ぶ。こうして俯瞰してみるにつけて、8年前と何もかもが違う。状況も、出来る事も。本当にいろんな人に助けられてるおかげだなーとスカイプを切ったあとに感慨に耽りながら、ミックスジュースを飲んだ。

今朝はちょっと疲れていたのと、今ラボで出来る事がなかったので、ゆっくりめにラボに向かう。いつもよりも1時間遅いバス。…。…。いつもより混んでいた。明日は早い方に乗ろう。

昨日も少し紹介したけれど、メイン通りのカイザーストリートには食べ物屋が数多くあって、どの店も店頭に並ぶサンドイッチに力を入れている。今日は昨日から目を付けていたお店で購入。フレッシュチーズのサンドイッチ。これ、すごく美味しい。明日も同じものを食べたいところだが、毎日違うものを食べようとこころにきめているので、明日はまた別のもの。ちなみに、毎日ドイツ語を少しずつキャサリンとサーチンに教えてもらってるのだが、今日のドイツ語会話は「フレッシュチーズのサンドイッチ」と「お元気ですか」。昨日のと併せると、「お元気ですか?フレッシュチーズのサンドイッチ、一つ持ち帰りで!」が使えるようになる。ドイツ語会話の1ページ目に乗っていそうな、不自然な文章だが。

キティちゃんと、ピカチュウってドイツにもいるんだ。キティガイもいるかな?

午前はひたすら執筆。ディスカッションと実験を習うスケジュールやら、フィッシュルームへの許可証やらの「待ち」が重なっているので、今週はかなりの時間がある。逆に言うと、来週が危険…。執筆が進む進む。たまっていた書き物系をどうにかここ数ヶ月ではけさせてしまいたい。

昼御飯のメニューは毎日3つあって、KIT内のネットワークでは向こう一ヶ月の献立を見る事ができる。分からないものだらけなので、サーチンとキャサリンにどんな料理かを紹介してもらうのだが、今日のはすっっっっっっごい美味しかった!ラム肉の煮込み!!!パンとサラダもついて400円也。なんか、最後はこのブログはドイツの食べ物日記になるんじゃないかと密かに心配している。

ドイツに来てからも定期的に前ラボで僕が教えていた人達とスカイプでディスカッションしたり、実験の相談に乗ったりしているのだが、ボスのフェリックスは彼女だと勘違いしていたらしい。確かにいつも、ディスカッション中にフェリックスが来ると「ごめんごめん!邪魔をするつもりはないから!ホントごめん!!」みたいな事を言って去って行ってたのだが、今日、彼はその謎が解けて納得したらしい。「何故、いつもテルが真剣な顔で話しているのかがわからなかったんだよ!」とのこと。

午後はITGの別ラボとディスカッション。今までよく慣れ親しんだ実験のKIT流をマスターする。人と場所が違えば常識が違う。別に、自分と違っても否定する必要はないし、どちらもマスターして、あとで混ぜ合わせていいとこ取りをするのが僕のやり方。

そのラボには日本人のポスドクの方が一人いらっしゃって、僕の前上司の奥さんとケルン時代での同僚だったとのこと。前上司の事も知っていたし(たぶん東大の同学年?)、基生研にいる顕微鏡マスターのヒトと駒場の同クラだそうで、世の中は狭いといいますか、(ここはドイツなので)世界は狭いと言いますか。

そのラボにはアレックスという日本大好き外国人がいて、きさくなとてもいいヤツ。KITの外国語講座で日本語を学んでるそうで、ところどころに日本語が混じる。ちなみに、顔も中身も宇宙兄弟のローリーにすごく似ている。。。

KITは元々が原子力発電所があって、その周りに原子力の研究所が出来たところからスタートしたそうで、もう使われなくなった原発の炉が目の前に見える。これ大丈夫なのかな…?

夜はサーチンに誘われて、ビアバーにサッカー観戦に行く事に。ドイツvsイタリア。サッカーの試合も面白いのだが、それ以上に面白いのはドイツ人の熱狂っぷりと愛国心。国家が流れる時には、野郎共は胸に手を当てて立ち上がり大合唱だし、ドイツの攻撃に一喜一憂する。サッカー好きのヒトが来たら確実に満喫できる。KITメンバーの席が残念ながら一杯だったので、その隣の知らない集団に混じる。プログラマーの会社の人達だそうだが、僕にとってはみんな知らないヒトなので、どこに混じろうが一緒。

中高の頃、全ての塾の時間を犠牲にして、皆でバーチャストライカーに興じていたが、その頃から僕はドイツ使い。ただ、今日のオーダーを見て、クローゼ、バラック、カーンがいない事に衝撃を受ける。ちなみに、カーンはカールスルーエの出身。

ビールの話題で盛り上がる。フリゴで仕入れた知識がこんなにも役に立つとは思わなかった。僕がSchofferhofer Hefeweizen、Jever Pils、Krusovice Schwarzbierを三杯楽しんでる間に、ドイツは1-2で大敗。僕がドイツを全力で応援していたら、周りの知らない人達がビールを持ってきてくれたり、話しかけにきてくれたり。これまでアメリカやらいろいろな国で数週間を過ごしたことがあるけれど、正直、ドイツが一番だと思う。料理と酒が美味く、人間がいいという要素は何物にも代え難い。確かにサイエンスという意味ではアメリカの方がハイインパクな論文が出るかもしれないが、少なくとも僕はこの国に来られて、本当に幸せ。僕の友人、みんなに勧めたい国。

帰り道。ドイツが負けたことに腹を立てる人々、イタリア勝利に浮かれる人々、みんながみんな音を奏でる。何も無いのに、街を行く全ての車がクラクションを押し続けてる光景、想像できる?サーチンによると、ドイツが勝つともっとひどいとのこと。

夜御飯はピザをテイクアウトで。焼きたてのケバブ&チーズピザ。全く言葉が通じなうながら頑張って頼んだ一枚。