ドイツ10日目〜小生、ディスカッションに追われる〜

果たしてこのブログをどれだけのヒトが読んでくれているのか分からないが、何人かからレスポンスを貰ったので今日もセコセコと書いていこうと思う。

朝、いつも通りに6時に起床してワークモード。昨日に引き続き今日も軽い雨。8時のバスに乗るために7時35分に家を出ねばならないのだが、少し遅れてしまったので慌てて電車に飛び乗った。カールスルーエ市内のトラムは一律2.20ユーロなので、基本料金は日本より少し高めか。郊外に出ようと思うと、エリアが区分けされていて、1エリアごとに0.60ユーロずつ高くなっていくというシステム。

のんびり気分でトラムに乗って、カイザー通りを前に一人で「世界の車窓から」気分になっていたら、電車が突然曲がった!なぬっ!電車を乗り間違えたではないか。カールスルーエの市内は宮殿を中心に放射状になっていて、その中心ラインの延長上にはカールスルーエのメインステーション(Hbf)があるので、半分くらいのトラムはカイザーストリートからマーケットプレイスのところで曲がるのである(緑線)。僕が行きたいのは、カイザー通りの向こうの方にあるバス停(青線)。慌てて、トラムを飛び降りて、バス停までダッシュする。バスは30分に一本しかないので、これを逃すとかなり待たねばならない。ギリギリセーフでバスに間に合った。(今、Googleマップを見ていて思ったのだが、これが200mか…。毎朝よく散歩してるな。30分弱かかるわけだ。)

朝御飯は、生協的なところで切りたてハムのサンドイッチ!これは鉄板で美味い。

ラボにはキッチンスペースがあるので、朝御飯はここで。料理もできる。

ラボに着くと、サーチンは既に実験していて、7時30分の始バスで来たとのこと。やるではないか、サーチン。見習わなければ。「夜型の研究者に良い研究者はいない」という言葉を、昔、前の前のラボのボスに教えてもらったが、確かに効率のいい人間というのは朝早くに来て、夜も意外と早い。「徹夜は無能がやる事です」や「朝7時に来て、夜7時に帰る生活をしていて、結果が出なければ、それは戦略のどこかがおかしい」など、今まで僕にいろいろな事を教えて下さってきた先生方は皆、同義な事を言うし、確かにドイツでも業績の出ているラボは朝がとても早い。ちなみに、in situを教えてくれるレベッカも「このステップは毎週月曜日の朝7時から始まるの」と言っていて、なるほどと考えさせられるところがある。目指せ朝型人間!

さて、朝は土日の間に溜まっていたメールを返しきり、論文をパラパラとチェック。10時から下の階のラボのPIとディスカッション。面白のは、「人物名」がポンポンと出てくる事だ。聞き取れない単語かなと思って、よりよく聞いてみると、人名だったということもしばしば。海外の学会で、最後の謝辞のところでコラボレーターがやたら一杯並んでいることがあるが、その理由を初めて納得した。「餅は餅屋」理論で、各ステップの専門家と相談しながら「何が今自分のラボに存在していて」「どう使うのか(orどう組み合わせるのか)」まで含めて助けあう姿勢がベースにあるからだ。加えて、ディスカッション中に興味深いのは、ほぼ全く誰も「なぜそれをやるのか?」という長期な目の戦略的な事は聞いてこず、「どうやればそれができるのか?」という短気な戦術的な部分にのみ口を挟む。戦略は個々人に任せていて、戦術の部分だけ助け合うという風潮。

2時間ほどのディスカッションを終えて、お昼御飯。サーチンが「今日はメニュー2で決まりだぜ!」というから、行ってみたらよくわからないミートボールのトマト風味withペンネ。悪く無いが、まぁ普通!

午後は東京とのディスカッション&報告を3件スカイプでこなして、そのあとはフェリックスとのディスカッション。大量のto doタスクが生じて、方々にメールを送りまくる。ここでも面白いのが、コラボレーションの話を含めて、「お願い事」を誰がするか、という話。このITGの中では「ポスドクは全て自ら行う」というのがルールだそうで、ここにPIは介在しない。特に僕の場合は、研究費と給料を外部から取ってきているので、本当にこっち任せで、独立していろいろやらせてもらう事ができる。自由とは素晴らしき事かな。

仕事をずっとしたら、サーチンから「今日は帰りたく無いの?」って。え?何を言ってるの?と思ったら、すでに18時58分。終バスは19時なのを忘れていた。サーチンと共に猛ダッシュでバス停まで走る。なんとまぁバスに追われる一日だこと。

今日の夜御飯はカイザー通りで、野菜巻きを買って、スーパーでチーズを買って。意外とドイツはワイン産地が近くにあることもあってか、チーズが安くて種類も多いのです。ゴルゴンゾーラが180gで3ユーロくらい。結構美味しくて、満足。そんな一日。