ドイツ11日目〜小生、やっと研究者らしい生活になってくる〜

6時半起床。7時出発。予定通り7時半初の始バスに乗ってラボに到着。朝御飯は謎のサンドイッチを取ったら、ハンバーグサンドパン。肉系はどれも本当においしくて、焼きたてのハンバーグが肉汁たっぷりで、ただパンにはさんでいるだけなのに、なんとも言えない美味しさ。(ちなみに、魚料理は結構当たり外れがある。)

朝8時から、キャサリンにmini prepというものすっごい簡単な実験を習う。技術としてはもちろんできるのだが、試薬の場所やら流儀やらが全然違うので、なんでもかんでも一から隣で見せて貰わないといけない。そもそも、ゴミの区分けの仕方とかが異なるので、何にかもが一からのスタート。キャサリンは、ラボのテクニシャンで、試薬の管理から、新しい学生の指導、フェリックスの実験まで何でも一人でこなすスーパーウーマン。こういうヒトが一人いるだけで、だいぶ安定感が違う。前の前のラボの時のも、同様のスーパーテクニシャンがいたのだが、こういう感覚久々。

待ち時間にキャサリンにドイツの面白いルールの話を聞いた。実は、ドイツは「年間の何匹のメダカ/ゼブラを殺すか」を事前に明確にする必要があり、例えば500匹と政府に申請した場合に、500匹を越えられないそうだ。実際問題、先日このブログに書いたように水槽のスペースは十分で、僕が「一水槽にオスメス一匹ずつ入れたペアを実験で使いたいんだけど…」と言うと、「じゃあ、適当に50か100ペアくらい作っときなよ」と言われるくらいなのだが、一番の律速段階はその政府申請だそうだ。そして、その「アニマル」という範疇に入るのが、孵化のタイミングだそうで、メダカの胚を使う研究者はメダカの孵化が遅いので、ちょっとラッキーだそうだ。不思議なルールだ。

午前はそのあとに、ITGのもう一つの建物にあるラボまで実験を習いに行く。これも今までよくやってきた実験なのだが、より簡便に、より大量にやる方法を習得してきた。意外とこれは重要なことで、例えば、くだらない例を出すならば10kbのベクターに5kbをクローニングするのと、10kbのベクターに30kbをクローニングのは、決して6倍の手間ではない。同様に、10をスクリーニングするのか、100をスクリーニングするのか、1000や10000をスクリーニングするのかといった「量」という要素によって戦術は大きく異なるものだ。

昼ご飯は、ローストハムのステーキ!!!どどーーーん。もう、「美味しい」は言う必要ないですよね。

午後はひたすらパソコンとにらめっこ。せこせこと遺伝子にアノテーションをかけ、黙々とプライマーを設計する作業に追われる。15時からはセミナー。金曜はITG内部のセミナーで、火曜は外部からヒトを呼んでのセミナー。まぁそこそこ面白い話だが、さすがに頭がずーっと英語なのは徐々に精神力を削られてきて、ぼーっとしてたら、周りのPI達もどんどんぼーっとして帰っていった。まぁ、母国語でもそのリアクションになるよね。

夕方も仕事の続きをして、終バスで市内に帰還。帰りに、靴を買おうと思い、安い靴屋を捜したのだが、問題はサイズ。男性ものは大きすぎるし、女性ものは小さすぎる。ちょうどいいのが全く無い。これは予想してなかった。

夜はCurry Wurst買って、ビールアカデミーに持ち込み。Paulaner Hefeの大、Dom Kolsch、Frankenheimar Altのコンビネーションで。この1週間ビールを良く飲んだ感想としては、単独で飲むならPaulanerのHefeのような小麦系で、ソーセージ的なのはJever Pilsのようなゴクゴク系が合う。冬になったらまた違うのだろうけれど。

結論ですが、ビールとソーセージとポテトの組み合わせは無敵です。
チーズもいいけれど、やはりチーズはワインの方が合う気がしてしまう。