小生、活気あるセミナーに感動す。

ハイデルベルグ大のJochenに招待されたので、これまでの研究のトークを行ってきた。トークといっても、彼のラボでインフォーマルトークなので、そこまでストレスに感じることはない。朝、Fish houseの前でRaviと待ち合わせて、彼の車でハイデルベルクへ。カールスルーエハイデルベルクの間はおよそ60kmほどで、「30分もかからないよー」というRaviの言葉に「ん?」と思いながらも乗車。ものの数分で理由が分かった。かの有名な「アウトバーン」である。日本の高速道路ではデフォルト100km/時で、しばしば速度制限区間で80km/時であるが、アウトバーンはデフォルトで速度制限が無く、速度制限区間120km/時。Raviの車を含め、速度制限区間の終わりにどの車も急加速し180km/時ほどになり、更にその隣をしばしば恐ろしい轟音を立てたスポーツカーがヒューンと駆け抜けて行く。ここはF1レースか、と。Raviが笑顔で「今度来る時は、うちの大きい方の車で来るから230km/hくらいでいけるぜ!」というので、丁重にお断りしておいた。

ハイデルベルクのラボセミナーはとても興奮する内容で質疑の活気も素晴らしい。ここに書ける範囲で日本のラボにも応用できるなと思う興味深い特徴を書くとしよう。まず、「研究者以外のスタッフも集まる時間が用意されている」こと。僕自身が経験した事が有るラボセミナーの数も限られているが、日本では秘書さんや飼育スタッフがラボセミナーに参加することは珍しい。彼のラボでは初めに10分か15分ほどスタッフ全員が集まる時間を用意していて、そこで全ての事について話し合っていた。問題点を挙げるだけではなく、実験動物の健康状態などの「ちょっと気付いた事」を周知する場が与えられているのは極めて効率的だと感じた(この15分間が終わると、研究者以外は退場する)。次に「くじ引き」。前週にAさんが行った仕事セミナーの内容について、Jochenが引いたクジに当たったBさんが数分で再度説明を行い、最後にAさんが、Bさんの説明が適当であったか、1週間でどう進展したかを少しコメントするというもの。ゲーム性があって面白いのと、これがあるので院生も必死にポスドクやボスのガチトークにかじりついて聞いている。最後に「休憩が多いこと」。15分か30分のプレゼンが終わるたびに「フレッシュエアーを入れよう!」とJochenが言い、空気交換と2〜3分のコーヒーブレイク。セミナー中にはまんなかのテーブルに貸しパンやお菓子が置いてある。リラックスと緊張感のバランスが絶妙だと感じた。

今日のチーズはBonifaz。クリームチーズの中に、グリーンペッパー、ガーリック、バジリコ、ディールを入れ、表面を白かびで覆ったチーズだそうだ。初め、ガーリックの味に戸惑ったが、慣れるとなかなか美味しい。単品でもいけるし、チーズのわりにビールにも合いそうなおつまみ味である。100gで130円。もう一つはBelle Blanche。ハードだが独特の臭みが最後に抜けていって美味い。ヤギとかその辺の動物の乳の味がするが、どうなのだろう。ワインは今週は赤攻めでCour Du Roy A.C. F-BordeauxとChateau Grand Sabo F-Corbieres。前者は「おー、コート・ド・ニュイだー」と思って購入。正直、ワインはほぼ素人なので分かった単語が入ってるワインがあると、つい手が出てしまう。特にコート・ド・ニュイは、ロマネコンティから始まって、ワインの村名やエリアを勉強した直後くらいに知った地名だったので尚更。500円という価格もあってか、家でさくさく飲むにしてはとても飲みやすいし、チーズとも合わせやすい。先週から引き続き、夕御飯はKoffiersでハンバーガー。ハンバーガーといっても、ステーキがパンに挟まれているようなものなのだが。